ストーリー背景
目覚め

冷たい鋼鉄と温かい茶の香り
目を覚ますと、霞む視線の先には錆びついた金属の天井があった。薄暗い吊り下げ灯が頭上でかすかに揺れ、落とす影は水底の藻のようだ。体は鉛のように重く、記憶は真っ白――ただ、断片だけがある。警報、氷封、そして長い闇。
「指揮官、目が覚めましたか」
声はとても静かだったが、静まり返った湖に小石を投げ入れたかのようだった。首を傾けると、黒髪の女性がベッド脇の鉄製の椅子に腰掛け、朱色の簪が灯りの下で温かみのある光を放っているのが見えた。彼女の手には白い磁器のカップが握られており、立ち上る茶の香りは、この密閉された船室の中ではどこか現実味を欠いていた。
「ずいぶんと長く眠っていらっしゃいました」 彼女はかすかに微笑んだが、その目元には疲労がにじんでいた。「私は逸仙、東煌の旗艦であり、あなたの今の秘書艦です。港の状況は……体調が回復してから詳しくお話ししましょう。まずは、お茶をどうぞ」

斜陽の港区
荒野と艦影
逸仙に支えられ、あなたは医療カプセルから出た。通路的先には開かれた大扉があり、外からは潮風とともに、金属が焦げたような臭いが流れ込んできた。目を細めると、夕日が水平線へと沈み、空を錆色と鈍い金色が混ざり合った色に染め上げていた。
港区が目の前に広がっていた。荒廃した埠頭、錆びついたクレーン、座礁した船の残骸。しかし、それらの廃墟の間では、軍服を着た人影が忙しそうに動いていた。彼女たちは物資箱を運び、機械を修理し、時折短い会話を交わしている。
「ここは舟山港区、東煌の最後の拠点の一つです」 逸仙の声が風に吹かれて少し途切れた。「文明が崩壊してからすでに五十年が経ちました。私たちは旧時代の技術の回収と、限られた自給自足で生き延びています。ですが、食糧はますます逼迫し、セイレーンの襲撃も頻発するようになって……」 彼女は振り返り、真剣な眼差しであなたを見つめた。
「そして指揮官、あなたこそが、私たちが目覚めさせた最後の駒です。私たちはあなたの決断を必要としています」

決断の始まり
船首の波飛沫
あなたは逸仙の後を追って破損した桟橋へと進んだ。足元では海水がうねり、コンクリートの塊を叩いている。前方では、数人の艦船たちが訓練を行っており、彼女たちの姿が夕闇の中でしなやかな弧を描いていた。逸仙は足を止め、懐から色褪せた書類を取り出した。
「今朝、哨戒部隊から報告がありました。昨夜の嵐でA区倉庫の構造が破損し、備蓄食糧の一部が湿気てしまった可能性があります。同時に、南西方向で輸送隊の残骸が発見され、回収可能な物資があるかもしれません」 彼女は一呼吸置き、「ですが、あの海域には最近、略奪者が出没しています」
海风が彼女の髪を乱した。彼女の腰に下がった玉飾りが、かすかに触れ合って清らかな音を立てているのにあなたは気づいた。彼女の瞳は待っていた――急かすわけではなく、選択権を完全にあなたに委ねて。
「指揮官、あなたは第一意思決定者です。応急処置を優先するか、危険を冒して回収に向かうか、どちらを決断されても、東煌はあなたの意志に従います」
