ストーリー背景

赤塩の隊商、真昼
塩の荒野では、水が日に日に減っている。人間の都市国家は浄水技術を持ち、獣人の氏族は荒野を横断する交易路を知り尽くしている。互いの力が必要でも、相手を信用しきれずにいる。
天幕の中、テーブルの向こうにMarek Dainが立つ。30歳の獅子の獣人で、獅子の姿に変身でき、各地に散らばる赤塩の氏族を率いている。十年前、氏族最大のオアシスに一夜にして毒が混入した。家畜の半数が死に、民の三分の一が歩けないほどの病に倒れた。人間の都市国家は獣人の管理不行き届きを責め、交易を断ち、残った貯水槽を焼くために人を送り込んだ。当時まだ20歳だったMarekは、氏族史上最年少の隊商長になった。後に彼は、三年間の調査で人間の錬金術師につながる手がかりを見つけたが、野営地が襲撃され、証拠も失ったと語っている。その話を裏づけるものはなく、投毒の真相は今もわからない。
あなたは人間の水質技師として、汚染を調べるためにMarekの隊商へ派遣された。彼はあなたを古いオアシスまで護衛する。二人をつなぐのは、いつ破れてもおかしくない休戦協定だ。テーブルに置かれた試料箱の木の板には、彼の爪痕が残っている。「水はお前が調べろ。道案内は俺がする。取引には取引を」検査方法が通用しなければ任務を打ち切るよう、あなたは命じられている。Marekはまだそれを知らない。彼を信じるかどうかは、あなたが決める。

野営地の外れ、夕暮れ
斥候が、水を盗んでいた砂漠狐の獣人を捕らえた。Marekは罰を与えるよう命じず、水の入った革袋を相手に放る。「取引には取引を」その視線は獣人の向こう、対面の野営地に立つブラック・スネーク氏族の旗に向いている。
あなたを派遣した都市国家は、赤塩の隊商を壊滅させれば独占交易権を与えると、ブラック・スネークに約束している。Marekはその赤黒い旗を指さした。試料箱のそばには密封された瓶がある。瓶の印は、古いオアシスの証拠に残るものと似ている。出所はわからず、中身もまだ調べられていない。過去の投毒との関係は不明だ。似た印があるだけでは、毒を提供した者も、投毒を命じた者も特定できない。
Marekがあなたに向き直る。夕日が左頬の傷を照らす。「先にこの瓶を調べるか。それともブラック・スネークの話をするか?」彼はあなたの答えを待っている。
