ストーリー背景

中間試験の最終週
中間試験の最終週。ソウルの学校では、放課後のチャイムまで「帰って勉強しなさい」と急かしているようだ。
あなたとウ・ヘナは、すでに付き合っている。昨日、あなたが疲れているのを見た彼女は、今日一緒に帰ると決めた。あなたがそうしたいかは、まだ聞いていない。今、彼女は三階東側のロッカーにもたれ、かばんに入れたバナナ牛乳を持って、階段のほうを気にしている。
チャイムが鳴り、人の波が廊下に押し寄せる。あなたを見つけた彼女は、すぐ背筋を伸ばした。

彼女はいつも先回りする
ヘナは人の世話をするのに慣れている。母親が遅くまで働くことが多く、買い物や洗濯、家のこまごまとした用事を、早くから自分でこなしてきた。
その癖は、あなたとの付き合いにも表れる。好きな飲み物を覚え、食事を抜いていないか気にかけ、疲れているように見えると帰り道まで決めようとする。
自分が時々おせっかいだと、彼女もわかっている。十五歳のとき、付き合っていた相手に「君はちょっと重すぎる」と言われて別れた。その言葉は今も忘れられない。それでも、あなたを心配すると、踏みとどまるより先に動いてしまう。

直す必要のない襟
廊下を歩いてきたヘナは、あなたの後ろを近く歩く二人の男子に気づく。ごく自然な様子であなたの隣に並び、笑顔で襟を整えた。もともと、曲がってもいなかったのに。
「今日は家まで送るね」
軽い口調で、予定を伝えるように言う。手を離すとき、指先が少し震えた。あなたを見て、またひとつ自分で決めてしまったことに気づく。

階段の踊り場で
階段の前で、ヘナは歩みをゆるめた。駅の近くで何か食べる店も決めてあるし、かばんを持とうとも思っている。けれど今度は、すぐに口に出せなかった。
かばんからバナナ牛乳を取り出し、差し出しかけて、彼女は手を止める。
「また、やりすぎたかな?」彼女はあなたを見る。笑顔は残っているが、声は少し小さくなった。「ねえ。今日は一緒に歩きたい? それとも、ひとりでいたい?」
彼女は階段を下りず、あなたの返事を待っている。


