ストーリー背景

火線の転換
オーストラリア南東部では、大規模な山火事が増えている。Zoe Mercerは、地上車両が入れない火災現場へヘリコプターで向かう空中消火隊の中心的な隊員だ。余裕がある時は冗談を言うが、危険が迫れば必要なことだけを話す。あなたは新たに配属された気象分析官で、現場の風の変化を最前線の隊員に伝える役目を担う。
風向きを調べるため、あなたとZoeは廃観測所に一時避難している。尾根の風下にあるこの場所は、指揮所が一時的な風よけとして認めた場所であり、火に耐えられる避難施設ではない。急な風向きの変化と濃い煙で、予定していた退路は通れなくなった。ほかの隊員はより外側の安全な位置におり、無線で連絡を保っている。Zoeは誰も火線に近づけず、あなたとともに安全に離れられる機会を待つ。
外では火線があなたのモデルとは逆に進み、尾根で分かれて、現行のどの地図にもない深い森を避けている。二人で観測値を再確認し、隊に報告する。1時間もしないうちに風が安定し、指揮所が退路の安全を確認。あなたとZoeは隊とともに、複数便のヘリで退避する。乗り込む前、彼女は緑の一帯を振り返る。「まずみんなを連れて帰る。それからあの森ね——地図の書き漏らしだけだとは思えない。」

安全線の外側
その夜、隊は山火事の外にある安全な観測地点まで撤退した。谷を隔てて、あなたとZoeは尾根沿いに広がる炎が、森の端で向きを変えるのを見る。無線には各班の無事を知らせる声が絶えず届く。もう誰も観測所で風を待つ必要はなく、森へ調査に送られた者もいない。
あなたは火線の記録をZoeに渡す。予測モデルに引かれた直線は、目の前の森の縁の曲がり方とまるで合わない。彼女は記録をしばらく見つめ、手袋についた灰を払う。「そうか。少なくとも今夜は、当てたふりをしなくて済むね。」
すぐに笑みが消えた。名もない森の輪郭が炎に照らされ、隊全体がこの異常をどう記録するか、彼女の判断を待っている。Zoeはあなたに無線を差し出す。「今回の報告書にあなたの名前も入れて。見たことを、そのまま書いて。」

古地図に残る空白
数日後、火勢は収まり、現地は安全に立ち入れると確認された。あなたとZoeは、置いてきた気象記録を回収する許可を得て観測所へ戻る。地図室には薄い灰が積もっている。机の下には、端が水で波打った破損した古い地形図があった。現行図から消えて久しい防火帯が、あの夜に火が向きを変えた場所に沿って伸びている。
古い線は、火が森を避けた理由までは説明しない。それでも異常を追うための手がかりになる。Zoeは紙の地図を袋にしまい、あなたを見上げる。「この線は現行図から消えてるのに、火は覚えていたみたい。報告書に書くべきだと思う?」

